私の聴いてる音楽まとめ

好きな音楽の話をしてます

マージナル/OSTER project

こんにちは。

 

ボーカロイド音楽が全盛期を迎えています。10年くらい前は「オタクの聴く音楽」というイメージがあったように思いますが、アニメも含め生まれたときから二次元コンテンツが近くにある若者たちが、メインでカルチャーを形成する層になったことでそういう偏見もなくなってきたんだと思います。

私が小・中学生のころは黎明期~発展期くらいだったかなと思います。音楽の時間にはピアノが弾ける子が「千本桜」を弾いていたし、休み時間に「カゲロウデイズ」の考察みたいなことをしている子もいました。私自身も例外ではなく「マトリョシカ」を聴いたり、「人生リセットボタン」のニコラップの真似をしたり、「如月アテンション」で感動してみたり。ただ教室のメインストリームにあったかと言うと微妙です。ラッド・バンプ、あと少しのV系たまにボカロ、音楽の話題はそんな感じだったように思います。

高校生になると、椎名林檎ナンバーガールが私を待っていました。一人もくもくとそこを掘り、「この学校で一番音楽に詳しいのは私だ」と思っているキツい音楽ファンとなった私がボカロ音楽を聴くことは殆どなくなっていきました。

 

そんな私も大人になり、再びボカロ音楽を良いと思う体験をしました。

それが今回のテーマである「マージナル」です。作曲家はボカロ界のビル・エヴァンス(勝手に言ってます)ことOSTER projectです。曲自体は10年以上前の曲ですが出会いは1,2年前で、Reizoko Cj の"Dark Side"でサンプルされていたのがキッカケでした。後々知ったことですけど「ストロー」をはじめとしたaikoの楽曲の編曲に携わってます。めちゃくちゃ大物です。

 

原曲を初めて聴いたときは「ここのコードワーク何?」の連続でした。Aメロとかは理解出来るんですが、Bメロは遷移が高速なんで「待って待って」という感じです。曲の展開を理解した今聴いてもあんまよくわかってないですが、コードのクオリティを変えて新たな展開に進めていってる感じですね。でもちゃんと強進行に忠実なのでしっかり気持ちいいんです。ポップに仕上がってる中で、体が跳ねるようなコードを入れてくるもんで「うわここっ!」って箇所が何個も出てきます。イントロの強進行連続の後のDmajとかね。あそこのエレキ好き。

 

マージナル、サブスクにはライブ版(しかもショートしてる)しかないのでCDを買ったんですがOSTER project自身のアルバムである"Cinnamon Philosophy"バージョンはYoutubeなどに上がっているDIVAの音源と比べ、音作りとミックスが少し荒削りかなという印象です(DIVA版のミックスに慣れてたってのもあるかもしれないです)。聴きやすいのはやっぱり"-Project DIVA- Original Song Collection"版の方だと思います。あとこのアルバムに入ってる恋色病棟という曲は結構良かったです!

 

マージナル以外の曲だと"AIシテ!きりたん"とか"tete-a-tete"なんかが好きです。後者に関しては彼女が10代のときに作った曲みたいですね。すごすぎる。

 

Spotifyのwrapped、私は音楽を聴きながら寝ることがよくあるし、取り寄せたデータを確認したら反映されてないものがあったりで真っすぐに信用できる集計ではないと思ってますが、2022年私のSpotifyのトップアーティストはフレネシでした。そんな彼女もYoutubeOSTER projectの"tete-a-tete"をカバーしています。

youtu.be

 

私のこのブログ1回目南波ちゃんの記事(南波ちゃん30歳の誕生日おめでとう。)でもフレネシについては触れていたと思うので、そろそろ彼女の音楽についても書きたいです。

 

あと地味にこの方の歌ってみたも好きです。めっちゃ「アホの子」みたいな声とサビ頭のちょっと変えた譜割りが良い。

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今回はこの辺で。

上の方であげた「人生リセットボタン」、kemuというボカロPが作曲してますが、2022年の終わり頃"raspberry cube"という曲にハマり、kemu=堀江晶太が作ったと知りました。この曲についてもその内記事にしたいです。底抜けに明るい曲調なのに聴いてるとすごい切なくなるんですが、薄々勘づいているその原因について書きたいと思います...。

 

ではまたー

 

Misty/George Shearing

こんにちは。

 

最近、私がジャズにハマったキッカケは何だったか、振り返ってみました。物凄い川上の話をするとSteve LacyやFlying Lotusの曲なんですが、「ジャズ」というジャンル内で初めて好きになった曲はChick Coreaの"Spain"でした。確かギターの練習をしていた時、とある個人のサイトで"Spain"を使ってリズムの取り方を解説していたのが知るキッカケだったと思います。(結局ギターは上手くなりませんでした!)ただその後、何故かジャズを掘らず。。"Spain"自体はめちゃくちゃリピートしていたので本当に何故なのか分からないです。

そこから約半年後、深夜3時くらいだったか普段全く聞かないラジオを付けていた時、ジャズを紹介する番組が流れてきました。かかっていたのはDinah Shoreの"The Man I Love"やMel Tormèの"A Foggy Day"でしたね。ピアノのリックに魅力を感じ、ジャズを掘ろうとなったんだと思います。ただスウィングやブルースなどに近い演奏はあまり良さが分からず。ビバップやクールジャズは最初から気に入ってたと思います。

 

そんな感じで掘っていたので当然発見し好きになったのが、今回のテーマであるGeorge Shearingであり、彼の"Misty"でした。

シアリングはクールジャズの第一人者であり、ビバップやボサノバの演奏も残しています。「バードランドの子守唄」の作曲家としても有名です。

「ジャズスタンダード」の概念もよくわかっていなかった当時の私ですが、彼の演奏の印象派音楽のような世界に魅力を感じ、のめりこんでいきました。

 

詳しい出会いは覚えてないんですが、Spotifyの発見記録用のプレイリストを見るとエヴァンスの"Emily"やキース・ジャレットの"Something To Remember You By"なんかの後に聴き出したようです。当時、文京区に住んでいたのですが深夜に白山通りを一直線に歩きながらシアリングのソロ作品やルガンスキードビュッシー作品をよく聴いていた記憶があります。生意気ですよね。

 

ジャズについて語ろうとするのは危険行為だとは思うんですが、シアリングの魅力は上でも言ったように印象派音楽のような世界観にあると思っています。ぼやけた音の中に浮かんでいるメロディや、静と動の反射、スケールの使い方から感じられる緊張と緩和などが、すごく自然的・風景的で目の前に画が浮かんできます。

そもそも彼の"I Cover the Waterfront"を聴けば、印象派作品から大きな影響を受けていることに疑う余地はないんですが、それをしっかりスタンダードの中に落とし込んでいる所が凄いですよね。

"Misty"の他、印象派的だなと感じるのは"Laura"、"Out Of This World"、"A Tune For Humming"、"Moonlight in Vermont"などです。ペンタのキラキラがあると分かりやすくそう聴こえるんですかね。中でも私は特に"Moonlight in Vermont"が好きで、昔、羊と鋼の森を読んでいた時には1曲リピートでBGMにしていました。あの少し冷えた温度の中にある美しさみたいな雰囲気と合っています。

 

シアリングの影響で最近Marian McPartlandも聴くようになりました。彼女はシアリングとピアノ・デュオをやっていて中でも"Just Friends"がお気に入りです。

 

 

あんまり彼についての思い出を書ききれてないような気もしますが、今回はこの辺にしておこうと思います。

もう時期みんみん蝉が鳴き出す季節になりそうなので、そろそろ森は生きているについて書こうかなと思ってます。

ではまた。

 

 

 

 

Leiria/Anomalie

こんにちは。

 

趣味でやっている音楽制作ですが、最近ようやく半年前くらいに作り出した1つの曲をミックスの工程まで持ってこれました。ただずっと1つの曲、その音を聴き続けていると感覚がマヒしてきて何が良いミックスなのか、いやそもそも何が良い音なのか分からなくなってきます。何度も書き出しては何度も修正して、それでも気になる点がまだあります。多分見切り発車で構成やイメージを考えながら作業してるから、余計工数が多くなってるんですかね。

 

全く関係ない前置きから入りましたが、今回はここ最近出会った音楽の中で1番衝撃を受けた曲、Anomalieの"Leiria"について書きたいと思います。

知るきっかけとなったのはSpotifyのサジェストです。Spotifyのお陰で知った曲、本当に沢山あります。マジで優秀です、いつもありがとう。

確か"ラビリンス(インスト)"、"誓い(FF13)"、"fragile fireworks"なんかを入れたプレイリストのおすすめで出てきてたと思います。

 

一聴して「あ、これめっちゃ好きになるんだろうな」って感じでしたね。こんな分かりやすくストライクな曲も珍しいです。

柔らかいフェルト音、息と声の中間の女声コーラス、その複数のメロディが織りなすハーモニー(チープな言い方...)が非常に美しいです。

最後のせりあがるコーラスと、下がっていくピアノのカウンターポイントが天国です。

 

 

 

たまに「自分が自殺する時に聴いていたい曲」について考えます。シアリングの"Moonlight in Vermont"、"Avril 14th"、"Kawaii Razor Blades"などその他も色々あります。メロディの美しい曲が多いです。

"Leiria"もこの候補に上がってくるでしょう。集中してこの曲を聴いていると、日常がどうでもよくなってきて、目に入る景色のデータがとても重いものに感じられます。

断っておきますが、別に本気で自殺したいと考えている訳ではないです。

 

"Leiria"だけに焦点を当てていたらなんだか暗い文章になりそうなので、Anomalieの他の曲についても書きたいと思います。

最近知ったばかりなので広く聴けているわけではないですが、彼がYouTubeのチャンネルで上げている"MY FAVORITE THINGS"はめちゃくちゃカッコいいなと思いました。

 

youtu.be

 

稚拙代表みたいな感想ですけど、これマジでヤバくないですか?

譜面に起こした動画が出ていたので見てみましたが、コードワークがまず凄いですよね。あまりちゃんと分析できてないですが、オンコードやdim系のコード、トライトーンへの移動を多用して体がかゆくなる響きばっかで、体が跳ねる感じのアレンジです。

ちゃんと分析して自分の引き出しに取り入れたいですね。

 

Youtubeに上がっているものだと"Tuesday Piano Meditation"が良かったですね。それからアルバムだと"Mètropole"の"Ouverture"。この曲も"Leiria"の様な短い破滅系インストです。凄く浜渦さんの匂いがします。

 

散歩をしながら聴くことが多くちょうど桜の散る季節に知ったので、私個人としてはAnomalieに「晩春」というイメージです。

こういうミュージシャン、曲に対する人のイメージを聞くと面白いなと感じます。昔、Youtubeにコメント欄で"Fleeting Frozen Heart"に対して、「朝、バスで通学しているとき」というイメージを持っている人がいました。私としては「超・夕暮れ」というイメージだったのでこういう感じ方をする人もいるんだな、と驚いた記憶があります。局に対するイメージの共有は、その人の感覚や価値観の理解にかなり大きく貢献しますよね。

自分は現実の友達と音楽の話をするのが苦手なので、ネットで音楽に対する意見や感じ方とかを見るのが好きです。その人がどういう人間なのかちょっとだけ見えてくるような気がするので。

 

 

今回はここら辺で終わります!

そろそろずっと書こう書こうと思って中々書けていないシアリングやTOKYOPILLについて書きたいですね。最近ちょっとリアルが忙しいので時間を見つけてコツコツ書いていこうと思います。

 

ではまた~

LONELY ROLLING STAR/椛田 早紀(塊魂サウンドトラック)

こんにちは。

 

Galileo Galileiが再始動しましたね。中学生の頃「あの花」を見てその存在を知り、上のきょうだいがよく聴いていたので自分も好きになりました。特に好きだったのは1stで「稚内」がお気に入りでした。高校の入学式の日には、「夏空」を聴いていた記憶があります。あとついこの前ポーターロビンソンがニートTOKYOで、好きな日本のミュージシャンとしてガリレオを挙げていて、なぜか自分のことのようにうれしい気持ちになりました。

 

さて今回のテーマはゲーム「塊魂」のBGMとして使われていた楽曲、"LONELY ROLLING STAR"です。これもガリレオと同時期、約10年ほど前に知った曲です。

多分この曲が私の現時点の人生の中で一番長い間、高いレベルで好きな曲かもしれないです。

 

基本の音はピコピコ電子音と椛田さんの可愛らしい歌声ですが、コードワークやアレンジの影響かかなり切ない仕上がりになっています。「可愛い木綿のハンカチーフ」みたいな歌詞なので尚更です。

特に好きなのがBメロです。8分基調のピコピコが入ってきて、コードも4M-4♯m7-5(地味にこのコードワークほかの曲で見たことないかも)と、胸がざわつく展開で強進行ゾーンに飛び込んでいきます。どうしたって私たちは強進行の気持ち良さには抗えないですね。

 

歌詞もAメロまではキュートな雰囲気ですが、Bメロは離ればなれになるふたりを歌っています。

でもあなた大事な夢を描く 終わるまではずっとそうここで(待っている)

悲しさを堪えて「あなた」を応援する主人公、健気すぎますよね。都会の絵の具に染まらないで帰って~。

 

 

この曲を知った中学生のころ、私はYouTubeキッズでした。MVなど公式のものが増え始めた時期で当時好きだったミスチルをはじめとして音楽もよく聴いてましたが、同じくらいゲーム実況を観ていた記憶があります。中でも好きだったのが「青鬼」で有名になったサンヘルプさんでしたね。

落ち着いた声とは裏腹にビビりで大きなリアクションが好きでした。懐かしいなあ。ホラーゲームのイメージのあった彼でしたが、「塊魂」の実況が始まったんです。私自身はRPGが好きだったのと、そもそもゲーム自体から離れ出した頃だったので実際にプレイはしませんでしたが実況は面白かったです。大人になった今何かの糧になるかもという意味で少しプレイしてみたいですけど、ハードがps3で止まってるんでやるならアーカイブですかね。

実況第4回くらいだったでしょうか。こたつのある居間からスタートする回だったと思いますがBGMとして"LONELY ROLLING STAR"が流れてきたんですよねー。本当にいい曲だなと思いましたし、サンヘルプさんも良いって言ってました。

 

 

この曲のように一見音楽とはあまり関係なさそうなコンテンツだったとしても、すべての触れてきた作品から何らかの音楽的知識や考えを得ていると思います。(「ガキの使い」からは森田童子佐野元春を知ったとか。)

人生って「それをした結果」の積み重ねであり、「それ以外をした結果」をどうしたって見ることができないので、すべての人生にとって無駄なことって存在しえないですよね。これはポジティブな意味では無いですが。

 

今回はこれくらいで。

因みにサンヘルプさんが「塊魂」の前に実況していたゲーム「学校であった怖い話s」はいろんな意味で面白さがあるゲームだなと思って、PSアーカイブスで買って当時結構しっかりプレイしました。あのジメっとした空気感とか、フフッと笑える要素とか、語り部それぞれのキャラクターが立っていたりとか...RPG以外あんまりやらない私でも楽しめました、おすすめです。

 

ではまた~~~~~~

 

 

 

 

Romantic Flight/堀江由衣

こんにちは。

 

春ですね。暑いのが苦手なので夏が近づいてきてる感じがちょっと嫌ですが、まだ暫くは柔らかい気候が続くと思うので我慢します。

 

さて今回は声優音楽(カテゴリはアニソンに入れてますが)を取り上げたいと思います。大御所声優、堀江由衣さんの"Romantic Flight"です。

堀江さんの声優としての活動については、自分が見たアニメでは「とらドラ」のみのりんくらいしか覚えていませんが、wikiを見ると太字のメインキャラだらけで人気なんだなってのがわかります。(今気づきましたが、「ゆるゆり」のあかねって堀江さんだったんですね。)

 

"Romantic Flight"を知ったのは実は去年(2022年)の6月頃でまあまあ最近です。確かYouTubeで堀江さんのラジオをたまたま開いた際に、BGMとして流れていたのがキッカケだったと思います(ラジオのテーマとして長いこと使われているようですね)。

 

曲調は私の好きなタイプのJ-POPって感じです。5-1-4のトゥーファイブワンや短3度上転調など、よくあると言えばそうなんですけど「結局これが良いんだよな」という感じの素敵な曲です。

堀江さんの少女的な歌声と魔女の宅急便を彷彿とさせるような、きらめく歌詞がマッチしています(特にサビ、キキがトンボを乗せて飛んでる画が鮮明に浮かんできます)。

その歌詞やキー、コードワークから最初に聴いた時の感想は「星間飛行じゃん!」でした。星間飛行も大好きな曲ですが"Romantic Flight"はポップよりな曲調で、星間飛行はロックよりって感じでしょうか。

 

 

この曲をブログに書きたいなと思ったのは去年12月ごろ、Twitterで皆のSpotifyのwrappedを見ていた時にこんな投稿を見つけ、ずっと心に残っていたからです。

岡崎律子さん、2022年は2,204分間も一緒に過ごしてくれてありがとう。
For フルーツバスケット」をずっと聴いていました。#Spotifyまとめ

いや自動生成される文章なんですけど、混じりけのない純粋な文体で、熱い気持ちが伝わってくるようでした(笑)

この曲の作曲家である岡崎律子さんですが約20年前に亡くなっておられます。

でも彼女が残した作品が今この時も誰かに力を与えているって凄すぎますよね。この投稿を見たとき、そういう「力の保存」みたいな意味での音楽の魅力も実感しました。因みに「ヨハネス・ブラームスさん」に感謝している人もいました。

音楽に限らず誰かの活力になるようなものを生み出したり、後世に残すことが出来る人間、私は一番かっこいいと思います。

 

 

高校生くらいの頃は、誰かの訃報を見た時「こんな人いたんだ」みたいな感想が多かった気がします。あと音楽家について調べていて「ああこの人ってついこの前まで生きてたんだなぁ」とかなることも(オスカーピーターソンとか私が小さい頃、まだ生きてたんですよ...)。

でも最近私の世代でもよく知っていて、リアルタイムで触れてきた有名人の訃報を目にすることが多くなってきた気がします。先日、笑福亭笑瓶さんの訃報を聞いたときは愕然としました。

私、ガキの使いが一番好きなテレビ番組なのですが、1,2を争うくらい好きな回が笑瓶さんメインの「水中息止め」の企画だったりするので。。。

 

...そして、まさにこのブログを書いている今日、2023年4月2日ですが、坂本龍一さんの訃報が入ってきました(本当に書いている最中にニュースで入ってきたので凄い驚きました)。

なんか色々、本当に信じられないです。中学生の頃初めて「戦場のメリークリスマス」を聴いた時、何て綺麗なメロディなんだろうと思ったのを覚えています。

 

こういう体験は時間が一方向にしか進まない以上、増えていく一方です。いつ誰がいなくなってしまうか、本当にわからないです。

ライブや演奏会で観れる機会があったのに行かなかったら、多分後悔してもしきれないでしょう。

やはり高齢であればあるほどその可能性はどうしても高くなってきてしまうので、レジェンドと呼ばれるような音楽家は機会があれば観に行くよう努めたいと思います。キースジャレットとかマナーに厳しいという話を聞くので怖いんですけど後悔しないために行きたいですね。

 

ではまた。

 

人生を変える言葉/トリプルファイヤー

みなさんこんにちは。アサケミです。

 

今回はバンド音楽について書こうと思います。

私、高校から大学2年生くらいまではバンド音楽しか聴いていませんでした。

中学生の頃はミスチルが好きだったんですが、高校に入りナンバーガールやきのこ帝国などの爆音系オルタナを聴き始めました。その後はシューゲイザーやドリームポップ、サイケみたいなサウンドの音楽を好んで聴いていた記憶があります。

 

そんなバンドキッズだった自分ですが、立って1~2時間集中してるってのが苦手なのでライブに行ったことはほとんどないです。一度フジロックに行ったことがあるのですが、あり得ないくらい疲れました。楽しかったんですけどもう行きたくないです。

ワンマンライブでいうと覚えている限り2回しか行ったことがないです。そのうちの1つがSuiseiNoboAz、そしてもう一つが今回のテーマであるトリプルファイヤーです。(この二つのバント早稲田の同じ軽音サークル出身というすごい偶然!)

 

スケッチスイッチの記事の時に書きましたが、私の好きな歌詞は「魂に銀河雪崩れてく」とか、英語のもので言うと"I get misty, the morment you're near"みたいな詩的で美しい表現がされているものが好きです。(曖昧ですが...)

ただトリプルファイヤーは生活的というか人生観みたいなものを歌っていると思いますが全体的に好きです。というのも言葉選びや伝え方が物凄く自分に効いてしまうので...

 

そんな中でも最近良く聴いているのが今回のテーマである「人生を変える言葉」です。簡単に言うと「特定の人間を深く刺しに来る天頂バス」です。

 

「大衆に向けたくだらないエンターテイメントですら人とはちょっと違う角度から見ている俺はゴミの中にも大事なものを見つける力がある」

「俺はまだ若く帳消しにできる」

とか....

「最近のバラエティのレベル低いな」って批判しながらも、その時間を何かに充てることなくだらだら見ていたり、大学で「今日だけ講義休もう」と言って結局最後まで出ず、落単させてきた人たちには是非聴いてください。

 

そもそもその一言だけで「人生が変わる」なんてことあるんですかね。人生における分水嶺はあると思います。ただその分水嶺もそれまでの土台ありきではないでしょうか。

個人的な例で恐縮ですが、私の音楽の趣味の変遷における大きな境目がSteve Lacyの"C U Girl"です。初めてこの曲を聴いたときこんなカッコいい音楽があったのかと体が震えました。ただこの曲を震えるほどカッコいいと感じたのは、それまでに触れてきた音楽の土台があったからではないでしょうか。

昔聴いて何も感じなかった曲を今聴いたら凄い良く感じたって経験、多くの人が持っていると思います。それはその期間に自分の意識していないところで経験を積み上げてきたからでしょう。

(そういう意味では人生は常に変わってるとも言えますが..)

 

とにかく私が言いたいのは

人生は自分の気づいていないところで常に少しずつ変わっていて一定のラインに達したとき、はじめて今まで積み上げてきたことに気づくことができるのではないか

ってことです。

ギターとかもピアノもある日突然ここのフレーズ弾けるようになった!ってのありますけどあれも同じですよね。

(皆んなそのラインを決壊させた言葉や音楽のことを、人生を変えたと形容しているんですかね?)

 

自分は自分が美しいと感じる音楽的要素が好きなので、こう考えていると今までの私のすべてを肯定できる気持ちになれます。

胡散臭いセミナーの言葉みたいになってしまいましたが、人生という大きすぎる対象を変えたいのであれば、変わっているかどうか分からなくても地道に続けるしかないでしょう。

 

 

今回テーマには一応「人生を変える言葉」を持ってきましたが、ほかの曲もめちゃくちゃ効きます。

「じじいの同窓会」、「漁師の手」、「サクセス」とか。(「サクセス」の「もし俺が俺を自由に操れるとしたら」って歌詞、シニカルすぎますよね。吉田さん、本当に俯瞰して物事を見られる方です。)

「音楽において歌詞はどうでもいい」と言ってる友人がいるんですが、唯一「歌詞で聴くバンド」がトリプルファイヤーだと言ってました。

 

 

 

話が逸れますが同じアルバム「FIRE」の中に「銀行に行った日」っていう曲ありますが、私にとっての銀行は美容室です。

美容室って定期的に必ず行かなければならない場所ですけど、自分の見た目にそこまで気を遣ってない私みたいな人からするとただただ面倒。しかも今の家に引っ越してくる前は近くの美容室に波長の合うスタイリストさんが居たんですが、引っ越してからは中々そういう方と巡り会えず色んな美容室を転々としています。。

美容室で髪切って貰ってる時間も別に好きではないですが、それよりも探してる時間が圧倒的に嫌いです。テキトーに選ぶと損するのは100%自分だけど、何か身になってるかと言われると本当に何にもなってない気がします。「ケータイのゲーム」やってる時間の方が価値あると思う。

 

あとボーカル吉田さんのエッセイ、「持ってこなかった男」めちゃくちゃ面白いです。

前半は超俯瞰・青春みたいなお話で笑えますけど、後半は音楽の世界でもがくことの苦しさ、才能という自分にどうすることも出来ない「トラック」に対する無力感をこれでもかというくらい感じさせるお話となっています。文章がうまいのもあると思いますが虚脱感や無気力が伝播してきて、普通に泣きながら読んでました。かなり苦しい一冊ですがおすすめです。

 

今回はここらへんで。

演奏に関して殆ど触れませんでしたが比較的新し目のアルバムはファンクっぽい曲調で、初期のロック調のものよりも個人的には好みです。「鋭いアドバイス」とか「諦めない人」とか音源になってない良い曲もあるのでYouTubeに上がってるライブ映像も見て欲しいですね。

公式曰く

「ソリッドなビートに等身大の歌詞をのせていてかっこいい。人気がある。メンバーはみな性格が良く、友達が多い。」

だそうです。

 

ではまたー。

 

Girls In June/Dirty Art Club

こんにちは。

 

20余年生きてきた私ですが、趣味と言える趣味が音楽しかありませんでした。

ですが去る2022年、車という移動手段を手に入れたことで遠方へも出かけられるようになったため、それを機に登山を始めました。来週もどこか登ってこようかと計画しております。

 

友人と行くこともありますが元々が一人でいる方が楽な性分ですので、ソロ登山をすることが圧倒的に多いです。大体持ち運び出来るBluetoothスピーカーで音楽を流しながら登っています。(人とすれ違う時は何か恥ずかしいので音下げてますが...)

森は生きている、キセルなどなど、ドリーミーでソフトな楽曲を持っている音楽を聴くことが多いです。が、その中でも圧倒的に聴く回数が多いのがDirty Art Clubです。中でも1曲リピートにしてまで流すくらい好きなのが今回のテーマ、アルバム"Vermilion"の"Girls In June"です。

 

この楽曲も例に漏れずドリーミーな楽曲なんですが、個人的にものすごく森や山の中のイメージができる音像だなと思います。木を揺らす風のようなパッド、落ちた枝や枯葉を踏むようなビート、遠くに聞こえる人や動物の出す音のようなボーカル。

その中で歌うギターの美しいことと言ったらないです。ちなみにこのギターですが調べてみるとサンプリング元は有名なジャズスタンダードである"You Go To My Head"からではないかと書いているブログがありました。

www.beautifulsongoftheweek.com

 

言われてみると確かに納得です。キーもコードも同じですし。(因みに"You Go To My Head"はエヴァンスとバドの演奏が好きです。)

 

 

Dirty Art Clubそのものとの出会いは2,3年前だった気がします。

当時Flying Lotusに激ハマりしてた私は、IDMやジャズトロニカを聴きまくってました。話が逸れますけどその時期にiglooghostを好きになり、そこからやグリッチブレイクビーツなどのジャンルを経て、ブレイクコアに到達したという物凄く綺麗な流れがあります。(更に関係ないですけど当時NANORAYの"DesktopBuddy"をめちゃくちゃ聴いてた記憶があります。)

IDMの海を彷徨っている中でアルバム"FMTI"の"Transcendental Levitation"と出会いました。もともとUMOとかCrumbみたいなサイケなサウンドは好きな方だったので、その気もあるDirty Art Clubの世界には一瞬でハマりました。"Dust and Ivory"や"Plastic Drip"なんかもよく聴いてました。その後登山を始め、色んな音楽を聴きながら登っていたわけですが、"Girls In June"が山と相性良すぎることに気づいてからより聴くようになったと思います。

 

音楽って曲自体の美しさとは別の経験との、複合的な体験をもってその魅力が倍増することってありますよね。星の見える川沿いを散歩した時に聴いた"Kawaii Razor Blades"、晴天の高原牧場で聴いた"House of Woodcock"、忘れません。。

山でよく聴くバンドとして上でも挙げた森は生きているやキセルなんかの曲も、登山を始めてからもっと好きになったと思います。「ロンド」、「ねの字」最高です。

 

今回はここらへんにしようかなと思います。めちゃくちゃタイムリーなんですけど、この記事書いてる3/3、Dirty Art Clubが"Lux Obscura"という新曲をリリースしてました。一聴した感想は「オーソドックスなDACだな」ぐらいな感じでしたが。スルメかもしれないのでもう少し噛んでみようと思います。

 

ではまた!